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▶皮膚科専門医/がん治療認定医による
皮膚腫瘍・色素斑の検査や手術を行います。

第42回 日本臨床皮膚科医会総会・臨床学術大会にて発表を行いました

2026年4月18-19日に広島で開催された、第42回 日本臨床皮膚科医会総会・臨床学術大会にて、背部の難治性皮膚潰瘍を、notalgia paresthetica(背部錯感覚症)が原因で搔きむしり生じた潰瘍と診断し、ミロガバリンを内服することで除痛とともに皮膚潰瘍の改善が得られた症例を報告いたしました。

https://jocd42.jda-conv.jp

Notalgia paresthetica(背部錯感覚症)は、背中の一部(特に肩甲骨の内側付近)に限局したかゆみや痛がゆさを特徴とし、神経の障害が原因と考えられています。皮膚に明らかな異常がない、あるいは掻くことで二次的な皮膚変化のみがみられることも多く、「原因不明の慢性的なかゆみ」として扱われてしまうことも少なくありません。

今回の症例では、痛がゆさと違和感が原因で掻きむしりが続き、皮膚潰瘍を形成していましたが、特徴的な皮疹の発生部位から神経障害性のかゆみの可能性を考え、ミロガバリンを投与したところ、痛がゆさの改善とともに潰瘍の上皮化が得られました。

神経に関連したかゆみに対しては、一般的に使用される抗ヒスタミン薬やステロイド外用薬では十分な効果が得られないことも多く、病態に応じた治療選択が重要です。

かゆみは「皮膚だけの問題」とは限りません

かゆみは非常に身近な症状ですが、その原因は多岐にわたります。
一般的には湿疹やアトピー性皮膚炎、蕁麻疹など、「皮膚の病気」によるものがよく知られていますが、実際にはそれ以外にもさまざまな原因があります。皮膚症状とともにかゆみがあれば,それは皮膚の疾患であろう、と考えやすいですが、明らかな皮膚症状がないにもかかわらずかゆみを訴える患者さんも少なくありません。
このような場合、皮膚以外の臓器の障害が背景に隠れている場合もあり、皮膚のみならず広く他臓器の障害を検討する必要があります。かゆみは、皮膚 → 神経 → 脊髄 → 脳、という経路を通じて認識されるため、このどの段階に異常があっても「かゆみ」として感じられるためです。

例えば、
・内臓の病気に関連するかゆみ:慢性腎臓病・慢性肝疾患、内分泌疾患、鉄代謝異常、悪性疾患
・神経の障害によるかゆみ(神経因性かゆみ):腕橈骨神経症(腕の外側のかゆみ)、背部錯感覚症(背中の一部に限局したかゆみ)、陰部・肛囲瘙痒症、帯状疱疹後瘙痒症
・薬剤によるかゆみ
などが知られています。

特に神経因性のかゆみは、皮膚に目立った異常がないことも多く、「見た目では分かりにくいかゆみ」である点が特徴です。

かゆみでお困りの方へ

当院にも、「かゆみ」を主訴に受診される方は非常に多くいらっしゃいますが、その原因は各患者さんごとで異なります。そのため、皮膚の状態だけでなく、症状の出方や分布、経過などを伺い、それぞれの病態に応じた治療を行うことが重要です。一人ひとりの病態に合わせた適切な検査、治療をご提案いたします。
「なかなか良くならないかゆみ」「原因が分からないかゆみ」でお困りの方は、どうぞお気軽にご相談ください。

当院では、外来で対応可能なあらゆる皮膚疾患に対応しております。

ダーモスコピー(皮膚科医が用いる拡大鏡)、エコー(超音波診断装置)、採血、皮膚生検(病変部を一部切除し、顕微鏡検査で病理を確認する。確定診断に最も有用)等の検査を用いた正確な診断、内服(飲み薬)、外用(塗り薬)だけでなく、手術、レーザー治療、光線療法、分子標的薬、様々な処置(局所注射や穿刺、縫合、液体窒素、削り、巻き爪矯正 等)を組み合わせた、最善の治療の提供に努めております。

皮膚に生じたお悩み事がありましたら、お気軽にご相談ください。

早川道太郎 (皮膚科専門医 がん治療認定医)