小児の皮膚疾患は、成人と同様の診断名であった場合でも、皮膚環境が異なるため、症状や臨床経過が大きく異なります。特に乳幼児では、角層の水分含有量の変化、汗のかきやすさ(単位面積あたりの汗腺の数が多い)、皮脂分泌量の変化、外的刺激等が生じた結果、新生児ざ瘡、乳児脂漏性皮膚炎、乳児アトピー性皮膚炎、失禁関連皮膚炎(おむつ皮膚炎)、口囲皮膚炎等の皮膚トラブルが頻繁に生じます。また、皮膚バリアが脆弱なため、伝染性膿痂疹(とびひ)や伝染性軟属腫(みずいぼ)等の皮膚感染症に罹患することも多いです。そのほか、遺伝性ではなくとも生まれつきのあざ(血管腫(赤あざ)、母斑(青・茶・黒あざ))が生じることもあります。小児皮膚科診療に精通した皮膚科専門医によって、年齢や症状にあわせた治療を行うことが必要です。
当院の早川道太郎医師は、小児あざ治療に精通しているほか、小児皮膚科領域で複数の学会賞を受賞しており、診療経験が豊富です。お悩みがありましたら、ご相談ください。
近年は、保湿剤の重要性が周知され、多くのご家庭で積極的な保湿剤外用を行っていただいておりますが、時に皮膚炎に対しても保湿剤を外用され、炎症が十分に抑制できず悪化してしまうケースもみられます。湿疹やアトピー性皮膚炎に適切な治療がなされてないと、皮膚症状がある部位から経皮感作(皮膚を経由して、日常生活環境中の多数の食物アレルゲンが侵入、アレルギーを獲得)をしてしまうリスクが高まります。乾燥による症状なのか、それとも紅斑(あかみ)や丘疹(ぶつぶつ)といった湿疹の症状が出現しているかはご家族には判断が難しい場合もありますので、お子さんがかゆがっていたり、新しく皮膚症状が出現した際はお早めにご受診ください。