2025年4月5-6日に金沢で開催された、第41回 日本臨床皮膚科学会にて、顔面頚部の脂漏性乾癬に対する安全かつ効果的な治療選択肢を報告いたしました。
皮膚科外来には、顔の赤み、が主訴の患者さんが多く受診されます。
診察機会が多い疾患として、アトピー性皮膚炎や接触皮膚炎(かぶれ)、脂漏性皮膚炎、ざ瘡(にきび)、酒さ、酒さ様皮膚炎などが挙げられますが、膠原病、感染症、アレルギー疾患、炎症性·肉芽腫性疾患、悪性腫瘍などやや稀な皮膚疾患でも、顔の赤み、としてあらわれることがあります。
稀な疾患の多くは、皮膚生検(皮膚の一部をとって顕微鏡で、一つ一つの細胞を確認する)が必要となりますが、本発表では、脂漏性皮膚炎や尋常性乾癬のダーモスコピー所見をもとに、混在した病態ともとれる脂漏性乾癬の非侵襲的なダーモスコピー(皮膚科医が用いる拡大鏡)所見を提示し、診断の一助となることを報告いたしました。
あわせて、顔の皮膚は薄く、外用剤による副作用が生じやすい部位であるため、中長期的に外用治療が必要な場合、薬の選択や塗り方に工夫を要します。この点に関しても、副作用の発生なく十分な効果が得られたことを報告いたしました。
顔の赤みは、特に、患者さんの精神的負担が大きい病態です。
最新の医学的知見を踏まえ、正確な診断に基づいて、安全かつ効果的な治療選択肢をご提案させていただきます。
当院では、外来で対応可能なあらゆる皮膚疾患に対応しております。
ダーモスコピー(皮膚科医が用いる拡大鏡)、エコー(超音波診断装置)、採血、皮膚生検(病変部を一部切除し、顕微鏡検査で病理を確認する。確定診断に最も有用)等の検査を用いた正確な診断、内服(飲み薬)、外用(塗り薬)だけでなく、手術、レーザー治療、光線療法、分子標的薬、様々な処置(局所注射や穿刺、縫合、液体窒素、削り、巻き爪矯正 等)を組み合わせた、最善の治療の提供に努めております。
皮膚に生じたお悩み事がありましたら、お気軽にご相談ください。
早川道太郎 (皮膚科専門医 がん治療認定医)

