帯状疱疹(たいじょうほうしん)

症例:左は胸部の帯状疱疹。右下は肩の帯状疱疹、右上は腹部の帯状疱疹

症例:左は胸部の帯状疱疹。右下は肩の帯状疱疹、右上は腹部の帯状疱疹

帯状疱疹とは

帯状疱疹(varicello zoster virus たいじょうほうしん)

皮膚にブツブツの発疹が帯状に出現し、痛みやかゆみを伴うウイルス性の病気です。

初感染は、水痘を起こし、治癒後は三叉神経や脊髄神経の神経節に潜伏しています。
この潜伏しているウイルスが、長い期間(3週間以上)続く、精神的、肉体的ストレスが誘因となって、神経支配領域に、「ピリピリするような…」痛みを生じます。この時点では、未だ皮疹を生じていないこともあります。

部位によっては、頭痛、心筋梗塞や肋間神経痛などと間違えることもあるようです。
その後、痛みと共に、赤い疱疹や水疱が出現してきます。
ごく初期は帯状疱疹と分からないことも多いですが、この初期に病気を見つけることが良い予後に繋がります。

帯状疱疹の治療方針

はじめに抗ウイルス剤(バルトレックス、ファンビル)の7日間内服を主に治療を行います。
その他、消炎鎮痛剤、ビタミンB12 、抗不安薬、漢方薬などを併用の他、遠赤外線による治療を行います。
ただし、早期に適切な治療を施さなかったり、ご高齢の場合などは、方向性を誤れば、帯状疱疹後神経痛という後遺症に移行してしまうこともあります。十分な監視のもとでの早めの治療が必要です。

帯状疱疹投薬

  • 抗ウィルス剤:バルトレックス、ファンビル
  • 非ステロイド消炎鎮痛剤:カロナール、ロキソニン
  • ビタミンB12:メチコバール
  • 神経痛薬:リリカ、ノイロトロピン
  • オピオイド鎮痛薬:トラムセット
  • 三叉神経抗うつ薬:トリフタノール
  • また、症状に応じてステロイド内服薬の服用を行っております。

帯状疱疹の後遺症

発症部位、年齢や合併症によって異なりますが、特に、顔面、腋窩、陰部の場合、後遺症を生じやすいので、しっかり治療することをお薦めします。
また、70歳以上のご高齢の方、糖尿病などの合併症がある方も後々まで、違和感が残る場合が多いです。

生活面では、他の人への感染は特に免疫力が低下した患者様(免疫抑制剤使用の方、担癌の方)への接触は避けた方が良いです。