水虫(みずむし)の原因は?
白癬菌という真菌の感染です。足の指に感染があると足白癬、足の爪に感染すると 爪白癬と呼ばれます。
その他、手指にできる手白癬、体幹にあらわれる体部白癬、鼠径部にでる股部白癬などもあります。
水虫の種類と症状の違い
3タイプの足水虫
- 小水疱型:小水疱(小さい水脹れで周囲が赤い)が主体のもの。痒みがあります。
- 角化増殖型:痒みは殆どなく皮膚が厚くなるのが特徴です。主に、かかとに多く現れます。
- 趾間型:第3、第4趾間(中指と薬指の間)に多く、痒みが強いのが特徴です。
3タイプの爪水虫
- 表面型:表面が擦れるて、爪甲が傷つき、白癬菌が付くタイプ。
- 遠位型:爪白癬の中で最も多く、足先の水虫が爪に入るタイプ。爪をは厚くなっているのに、ボロボロとこぼれるようになります。
- 近位型:爪の根元が、水虫になるもの。爪半月の部分が白く濁る。このタイプは、とても少ないです。
いんきんたむし
足白癬、爪白癬と同じで陰股部にできる白癬を股部白癬といい、俗称は「いんきんたむし」といいます。
夏場に出現することが多く、スポーツマンの殆どが経験している疾患です。
水虫の治療法
足水虫の治療には、抗白癬外用薬(ミズムシ外用薬) |液体、クリーム、軟膏の3種類
- 液体は、清涼感があるがあり、ベタベタせず使いやすいが、かぶれやすい。
- クリームは、べとつかなく塗りやすいが、皮膚に付着している汚ないものも吸収させてしまう。
- 軟膏は、ベタベタして扱い難いが、あらゆる皮膚の状況でも塗ることが出来る。
その他、角化増殖型は皮膚が厚く、その為、浸透が低いので、内服薬を併用する場合が多い。
足水虫の治療で気をつけておきたいこと
- 足の一部に白癬菌が認められた場合は、その部位だけではなく、全体にまんべんなく外用薬を塗りましょう。
- 入浴後、1日一回以上、外用薬治療することが大切。
- 最低3ヶ月は外用薬治療を行う。
- 外用薬には、合う、合わないことがある為、一週間位で症状に改善がみられない場合、また、更に痒みなどの症状が出てきた場合は、他の外用薬へ変更して、治療を行います。気軽にご申告ください。
爪水虫の治療法:主として2種類です。
毎日1錠、約6ヶ月、内服薬を服用する殺菌的治療法
水虫の原因菌と考えられる主な白癬菌2種類に選択的に効果を示します。
この薬と相互作用(複数の薬を服用していることによる問題点)が生じることが少ない薬剤です。
但し、この薬剤服用中は、定期的な採血により肝機能チェックを行い副作用の有無を確認しなければなりません。
1ヶ月の間、1週間、1日8カプセル服用し、3週間、次の服用まで間をあける。
これを3ヶ月続ける、実質3週間パルス療法です。
この薬剤は、爪水虫の他、類似疾患である、爪カンジダ症にも広範囲に効果がみられる静菌作用をもった薬剤です。
但し、この薬剤は相互作用を生じる薬剤が多い為、他の内服中の薬剤がある場合には、十分なチェックが必要です。
加えて、副作用の確認の為、定期的な採血による肝機能チェックを行いましょう。
また、この薬剤のジェネリック薬は効果を示さないことが多々あります。
内服薬が使えない場合は?
患者様の状況により、内服治療が行えない場合は、ヤスリなどで表面を削りながら外用薬にて根気よく治療する必要があります。
また、爪白癬だけの患者様もおられますが、概ね、足白癬を合併している場合が多いです。
水虫にならないための予備知識
最も気をつけなければならないものは、バスマットです。湿った環境を好む水虫の原因菌にとって、バスマットは、格好の条件を満たしています。従って、バスマットは、必ず、十分乾かすことを心がけましょう。できれば、患者は単独で使うことが望ましいです。
銭湯やプールなどでの感染は、水に流されてしまうので少ないと考えられます。
また、洗濯機を介しての感染はありませんので、患者の衣類と他の家族の衣類を一緒に洗っても問題はありません。
水虫(足白癬)に似た症状をもつ疾患もあります。
以下のような疾患は、水虫と自己判断をして、悪化させる場合があります。
僅か数分の真菌検査を行うことで、類似疾患との鑑別診断と正しい治療方針がわかります。
まずは、気軽に受診して下さい。
- 掌蹠膿疱症:手、足に小水疱と無菌性の黄色い膿をもちます。痒みは殆どありません。
- 異汗性湿疹(いかんせいしっしん):手、足に沢山の汗をかき、それを掻破することにより湿疹化したものです。長い時間、靴を履き多汗な場合が多く、小水疱があり痒みもあります。