皮膚科医通信Vol.10 インフルエンザが大流行 免疫力が下がると皮膚トラブルも再発!

2015年1月 穏やかな新年を迎え、中央区人形町、水天宮の街にも、すっかり活気が戻ってきた今日この頃です。
年末年始、皆様は如何お過ごしでしたでしょうか。

皮膚科専門医の早川クリニックも、1月5日より平常通りの診療体制になり、患者様の皮膚の健康のために、今年一年も微力ながら、お手伝い出来ればと考えております。

さて、今年の冬は、とても寒いですね。
そのためか、インフルエンザや風邪が大変流行しています。

免疫力低下と皮膚トラブル

体力・気力を奪うインフルエンザや風邪、 実は皮膚トラブルの原因にもなります。

慌ただしい年末年始を過ごし、お仕事、プライベート共、様々な行事が続く季節、少々無理をしてしまったり、寒風吹きすさぶ中で、体温が下がり、免疫力が下がっておられる方も多いように思われます。

免疫力が下がると、インフルエンザや風邪に罹りやすく、症状もなかなか改善しませんが、さらに、一旦、落ち着いていたお肌のトラブルがぶり返すこともあります。

冬の帯状疱疹

私のクリニックでも、帯状疱疹(たいじょうほうしん)により受診なさる患者様が、ここのところ比較的多いようです。
この病気、小さな頃、水疱瘡(みずぼうそう)になった時のウイルスが、ここ数週間の心身の持続的なストレスにより免疫力が下がることで再活性化することによるものです。

症状には個人差がありますが、始めは痒かったり、虫に刺されたのかな程度の自覚症状ですが、次第に神経に沿って水疱が増え、痛みも伴うようになります。
また、後遺症が残ることもありますので、適切な治療が必要な病気です。

お子様の汗疹は厚着のさせすぎかも?

一方、小さなお子様では、乾燥による痒みから無意識に皮膚を搔いてしまい傷つけて湿疹となるケース。また寒い季節、可愛い我が子に風邪を引かせてならぬと、ついつい厚着させてしまい、逆に汗をかくこととなり、汗も(汗疹)や湿疹を引き起こすことが多いことも、覚えておいてください。

本来、子どもの体温は、成人に比べて、やや高め。そして活発に遊ぶ子は、ひときわ代謝も盛んですから、脱ぎ着がし易いようにしておいてあげると冬のあせもを防ぐ一助になると思います。

冬の冷たい空気や風、一方で暖かく乾燥した室内と、どちらの環境も皮膚にとっては過酷です。
さらにそうした異なる環境を行ったり来たりするのが、日常ですから、皮膚のバリア機能が未熟な乳幼児は、大人以上に、それぞれの環境に合ったこまめな対応をお願いします。

冬の帯状疱疹、汗疹

子育て中のお母様へ

近頃、私のクリニックの周辺はマンションが増え、それとともに小さなお子様の受診が多くなっています。若いお母様は皆、一生懸命に赤ちゃんの面倒をみていらっしゃるなぁ・・・と感じます。

その反面、核家族で相談する人生の先輩(祖父母やご近所さんなど)が近くにおらず、子育て全般への相談が気軽にできない環境ゆえか、ついついご自身だけの考えだけ行動したり、ネットで探した情報をやみくもに試されるという傾向もあるように思います。

赤ちゃんの皮膚のトラブルも、こうした、ちょっとした育児のヒントが得られなかったことが、悪化の原因になっていることもあるように思います。

診察の際には、普段、着せておられる衣類、お部屋の環境、食事等、スキンケアの方法などを知ることで、きっとよりよいアドバイスができると思っていますので、気軽にお話をしてくださることをお願い致します。

ただ薬を出すための診療ではなく、早く健やかになるため、また罹りにくくするための相談ができることこそ、医療機関のあるべき立場ですから、まずは気軽に相談してください。

まだ暫く寒い季節が続きます。十分な睡眠、栄養と、ゆっくり入浴して身体を温め、免疫力をあげるとともに、皮膚の保湿を心がけて、快適な冬をお過ごし下さい。