皮膚科医通信 増刊号0003 NHK放送の「マダニ」に関する放送を拝見して

5月23日、NHKテレビで「マダニ」についての放送がありました。ご覧になった方も多くいらっしゃると思います。

近頃、高齢者の山歩きがブームとなり、高齢者の方が山歩きでマダニに刺されるケースが増えている、また最近はイノシシやアライグマに付いたマダニがそれらの動物たちと共に都市部近郊に来て草むらに住み着いているという報告でした。

 当クリニックでも、5〜8月頃になると、「首に黒いホクロようなものが急にできた。」といって駆け込んでくる患者様がおられます。
診察でお話を伺ってみると、山歩き、登山、ハイキング、キャンプ、山菜取り、川釣りなどアウトドア活動後のことが多いです。

殆どの患者様が、黒い発疹をつけたまま来院しますが、中には、むしりとって、「一部がとれないので、とってほしい。」といって来られる場合もありますが、無理にとると、虫体が途中でちぎれ、一部が皮内に残り、治療が難しくなることがありますので、注意してください。

症状としては、虫が体に吸着している時は、無症状ですが、発熱や赤い発疹がでてきたら、検査や治療が必要です。
いずれにしても、虫をきれいに取り除くことが大切です。

マダニは動物を媒介してうつる感染症です。
これからの季節、山歩きなどに出掛けるときは、虫に刺されないよう、くびや足首などをしっかり覆い、楽しいレジャーにしましょう。

その他、先日お伝えしたように、チャドクガ、イラガなどの毛虫による痒みのある湿疹や、ウルシやサクラソウなどの植物によるかぶれも、多くなります。
あわせて注意しましょう。