皮膚科医通信 増刊号0002 5/23 日経新聞掲載の「梅毒」より

日経新聞、5月23日夕刊より「梅毒、若い男性に増えている。」という記事を読みました。

要約すると、

性感染症のなかで、クラミジアの脅威的伸びに比し、梅毒は、ほぼ一定の数で推移している一方で、最近の傾向として若い男性の梅毒罹患率が増えている、その原因として、特に男性どうしの性的接触の率が上がった。

という記事でした。

梅毒にかかると、接触機会から1週間ほどで、局所に硬いしこりができ、これがくずれてきます。この時点で皮膚の微妙な変化を感じ取って医療機関を訪ねてくれれば、診断が容易で、かつ治療は短くて済みます。

しかし、この時点を過ぎると一旦皮膚症状は改善した様子になり、安心してしまい、その後、性的感染機会のことも忘れ去ってしまいます。しかし、病気は進行しているのです。3カ月後には、局所以外の部位、手足、体幹、口腔などに発疹が出現してきます。
この時期に受診しても、専門医でなければ正しい診断がつきにくいことがあります。

当クリニックでも、局所の発疹(第一期)での受診より、病状が進行した発疹(第二期)で来院のケースが多いです。この時期での、治療は2か月の抗生物質内服治療、そして長期にわたる検査による経過観察が必要となります。
以上のことから、お心当たりがあり、局所症状がある場合は、早めの受診をお薦めいたします。


東京都中央区日本橋 皮フ科早川クリニック 院長 早川道郎は、性感染症学会の認定医です。安心して、受診してください。

梅毒を含む、様々な性感染症の解説を別ページにまとめています。是非、ご一読ください。