皮フ科医通信Vol.0003 夏に多い皮膚トラブルー水虫、水イボ、あせも

人形町、水天宮の町も日差しが眩しい季節となってきましたね。

私のクリニックも、夏に多い皮膚疾患で受診なさる患者様が少しずつ増えておられます。
今回は、前回の皮膚科医通信でも次号予告しました夏に多い皮膚のトラブルのお話をさせて頂きますが…

その前に、近頃、オーストラリア出身の俳優ヒュー・ジャックマンさんが基底細胞癌を患ったとニュースにありました。
X-メンのイメージが強い方ですが、私は、ニューヨークの恋人が気に入ってます。長身で、とてもハンサムな彼の公爵役は本当に似合っていて、好きな映画の一つです。

オーストラリアの紫外線量は、日本の4〜8倍とも言われており、オーストラリア政府のサイト内UV&Sun Protectionのページなどでも、日々の紫外線量の予報や、紫外線対策そして皮膚癌について詳しく掲載されています。

ジャックマンさんは、オーストラリア、シドニー出身。日差しが強いことでも知られていますね。

ジャックマンさんは、オーストラリア、シドニー出身。日差しが強いことでも知られていますね。

さて、基底細胞癌、この機会に、どのような病気なのか少しお話してみようと思います。
この病気は、顔面に発症することが多く、なんと皮膚癌全体の4割強を占めます。
また、男性に多く、50才以降に増える傾向にあります。
原因は、紫外線に曝露(ばくろ)することが関係しているといわれています。
以前は、白人に多い疾患でしたが、近頃は、日本人にも増えてきているようです。

彼のコメントにもあるように、再発しやすい特徴の悪性腫瘍ですが、日頃からのセルフチェック、定期検診で早めに対応することで、予後良好な疾患でもあります。

詳しくは、皮フ科早川クリニックの早期皮膚癌のページにも掲載してあります。また、 紫外線対策については、皮フ科医通信Vol2で、詳しくご紹介しています。UVケア剤の選び方なども載っていますので、是非、読んで実践してください。


では、ここからは本題

夏に多い皮膚のトラブルについてご説明します。

夏のジメジメシーズンに多い皮膚疾患

陽気が良くなり、沢山歩いたり、運動をしたりすると、靴の中が蒸れる感じになる季節です。

当クリニックにも、足の指間が痒い、踵(かかと)が固く厚くなっている、足の爪が白濁、肥厚しているといったような症状で、受診する患者様が多くなってきています。

また、一見、水虫によく似た症状でも、別の疾患であることも多々あります。
自己判断で市販の水虫薬を塗り、皮膚の状態が、かえって悪くなり受診する患者様が増えるのも、この季節からです。

水虫、爪ミズムシ、そして類似疾患については、当クリニックの主な症状のページにも詳しくありますが、今年の夏は、早めに正しい治療で快適に過ごしましょう。

水虫を防ぐ、悪化させないワンポイント

ワンポイントアドバイスとして、これからの季節、私は、草履(ぞうり)タイプのサンダルを選ぶことをお薦めしています。
風通しが良いことは、水虫、爪ミズムシや、その類似疾患を含めたものの症状改善に繋がります。
勿論、多くの男性はウイークデーは革靴を履いていることを思いますが、週末などには是非履いてみてください。
また、女性の方は、ちょっとお洒落なトングサンダルを履くことで、夏の間に水虫、爪ミズムシ等だけでは
なく、足のタコ、魚の目などの足全体のトラブル改善にもなります。

水イボ、あせももご相談が増えてきています。

小さなお子様の水イボ、赤ちゃんは早くも汗疹(あせも)が増えてきています。
お子様は水イボをとるのは、痛いのでちょっと勇気が必要かもしれませんが、麻酔テープを事前に貼ることで全く無痛で水イボを取り去ることが可能です。
お友達にうつさない、お子様自身も快適で楽しい夏を過ごせると思います。

小さなお子様、赤ちゃんは新陳代謝も著しく、また、汗をかく機会も増えて、掻いたり、擦ったりと皮膚のトラブルを起こす季節です。
外遊びから帰ったら、さっとシャワーで汗を流す、オムツ交換(特に大便)の時は、出来ればウエットティッシュタイプのお尻拭きではなく、やはりシャワーで流し洗らいをしてあげる等、お母様の優しい心遣いで健康な皮膚を保つことが出来ます。


 

最後に、次回の予告と皮膚科医ドットコムについてお知らせ。

まだまだ、夏の皮膚のトラブルは続きます。
次回は二の腕のぶつぶつ、大人の汗疹など、皮膚の露出と共に気になってくるものをテーマにする予定です。

皮フ科早川クリニックのウェブサイト hihukai.comは、現在、皮膚のトラブル、疾患を解説するページをアップしています。

今回のように乳幼児によくある症状のほか、ご高齢の方によくある皮膚疾患、あるいは、体の場所毎によくかかる皮膚病などを分かりやすく分類して、掲載しています。ご自身のお肌の悩みなど、該当しそうなものがあれば、気軽にご相談ください。

4月21日からは、後半の診療時間を18時から18時30分に延長していますので、ちょっと早めにお仕事を切り上げて、受診してみてください。