皮フ科医通信Vol.002:初夏に多くなるお肌のトラブルとは

水天宮、人形町界隈の緑も深くなってきましたね。

私のクリニックがある、水天宮から浜町方面へ少し歩くと、この時期、木漏れ日が、ちょっと心地よい浜町緑道があります。

浜町から人形町、久松町へ続くこの緑道、人形町の歴史に触れることが出来る小さなオアシスで、診療の合間に時々訪れています。皆様も、お天気の良い日は、ちょっとお散歩に如何ですか?


さて、季節ごとの皮膚のトラブルやスキンケアについて語る、人形町・水天宮前の皮膚科専門医 皮フ科早川クリニックのブログ第二回目です。

潮干狩りや野山の散策、テーマパークなど、屋外での活動が増えてくるこの季節に増えてくるのが、日焼けによるやけど、毛虫などによる虫刺されや、植物による、かぶれや痒み、腫れです。

前回の皮フ科医通信Vol.001 春のお肌ケアの基本では、紫外線や花粉によるお肌のトラブルをご紹介しましたが、この5月〜6月は、紫外線に加え、虫や植物によるお肌のトラブルが増えてきます。

アウトドアで思いっきり楽しんで、帰ってきたら、「あれ なんだか痒い。痛い」ということのないように、事前の予防と、当クリニックにお越しになる前の対処法などをアドバイス致します。

日焼けによる皮膚トラブルをさける方法は、長袖、長ズボン、そして日焼け止め。

つい気持ちが良いお天気の休日など、未だ真夏のような強い日差しではないという油断から、UVケア剤や日除けの帽子などを使わず過ごしてしまいがちです。

長袖のシャツや長ズボンは、山歩きの時などに欠かせないアイテムですが、ゴルフなど屋外でのスポーツ、ピクニックやガーデニングの時でもおすすめします。

薄いものであっても長袖、長ズボンを着ることによって、日焼け、虫刺されや植物によるかぶれ等から皮膚を守ることが出来ます。

その上で、露出されている皮膚、お顔や手の甲などにUVケア剤を塗りましょう。
特に、お顔の中でも高い部分、鼻や頬骨の辺りは丁寧に塗ること、長時間に及ぶ屋外活動時には、何度か塗り直すことがポイントです。

日焼け止め、UVケア剤を塗る場所

また、首の後ろ側(うなじ)も、案外日焼けする部位です。つばの大きな帽子を被ることや、ちょっと恥ずかしいかもしれませんが、手拭い、タオルのようなものを首に掛けるのも一手です。
汗ばんだお顔をこまめに拭くことも出来るので、汗による刺激から、お肌を守ることにも繋がります。

その他、水場やアスファルトによる照り返しが気になる場所では、首すじから顎にかけても、日焼け止めを塗りましょう。

日焼け対策 皮膚科 早川クリニック

紫外線の種類とUVケア剤の選び方

紫外線の種類には、3つあり、UVA,UVB,UVCと分類されています。
それぞれ波長が違い、その影響も変わってきます。特にUVA,UVBについてよく知り、日焼け止め(UVケア剤)を選ぶとよいでしょう。

A波(UVA)は、肌の老化につながる。PAで表示 
最も波長が長いので、皮膚の奥まで紫外線が到達します。
急激な皮膚の変化はありませんが、長期間でシミ、シワの原因となります。
B波に比べ、地上への到達が多く、約20倍の紫外線です。
また、ガラスも通す紫外線なので、ガラス窓越しの室内でもケアが必要ですし、曇りの日も要注意です。

UVケア剤には、PA+、PA++、PA+++という段階で表示されていて、+が多いほど、UVA防止効果が高いとされています。

B波(UVB)は、色素沈着につながる。また皮膚がんを誘発するおそれも。SPFで表示
A波に比べ、波長が短い紫外線で、皮膚への影響は強く、すぐに症状が表れます。
しかしながら、地球上を取り巻くオゾン層に大部分阻まれ、地上への到達は、全紫外線量の10%位と少量です。
このB波によって、皮膚が赤く炎症を起こして日焼けの原因となります。
また、皮膚がん、シミの原因にも繋がりますので、屋外活動の時には、日傘、長袖、帽子、そして、UVケア剤などが必須アイテムとなります。
UVケア剤には、SPF2からSPF50までの数値で表示されていてす。数値が高いほど、UVB防止効果が高くなります。(日本化粧品工業連合会が基準を定めています。)

参考になるサイト:日本皮膚科学会 皮膚科Q&A 日焼けのページ

ガーデニングや野山の散策で気をつけたいかぶれや虫さされ

かぶれに気をつけたい植物と毛虫

お庭のお手入れが楽しいこの季節。植物の葉裏には、毛虫やアブラムシなどの虫がついていることが多いです。
うっかり触れてしまうことによって、虫刺されやかぶれの原因となることが多々あります。

毛虫によるかぶれ

毛虫は、チャドクガ、イラガの2種類が一般的です。

チャドクガは、4月から10月にかけて年2回発生します。
ツバキ、サザンカ、チャノキといった、ツバキ科の植物の葉の裏にいます。

イラガは、7月から10月頃発生します。

カキノキ、ナシ、サクラ、リンゴといった、バラ科の木で、食樹に比較的多くいます。

どちらも、毒針毛に触れることによって、かぶれます。
また、例えば、かぶれた手で他の皮膚を触ることによって、その部位もかぶれをおこします。
お子様は、それによって、とびひに繋がる場合も多々あります。

植物によるかぶれ

また、植物自体にも、かぶれの原因となるもの、例えば、ウルシ科の植物の他、野山に自生する植物にも数多くみられます。

身近なものでは、園芸用の草花で桜草(サクラソウ/プリムラ)なども注意が必要で、取り扱いには手袋をした方が良いですね。

こうした屋外で注意したい動植物は、他にも沢山ありますので、キャンプなどお子様をお連れになる際などは、ご自身が覚えておくだけでなく、お子様に写真を見せながら「これは見つけても触らないようにね。」を教えてあげるとよいでしょう。

参考になるサイト:

eo-net ご用心 かぶれの原因になる植物

自然体験.com 葉で調べる樹木の見分け方

 

日焼けや虫・植物によるかぶれができたら

虫さされや日焼け対策 自宅でできる対処法

屋外での活動時、皮膚が赤くなり、痒みを伴う炎症や水疱(すいほう)の症状が表れた時には、素早く、ぬるま湯か水で、症状の部位を十分に優しく洗い流すこと、そして冷やすことが第一です。

その上で、症状の改善がみられない場合は、早めに皮膚科専門医にご相談いただくことをお勧めいたします。

当クリニックでは、
毛虫や植物による痒みや腫れの治療は、ステロイド外用薬を塗ります。
場合によっては、ステロイド内服薬、更に十味敗毒湯といった、漢方薬の服用もあります。
また日焼け、やけどの治療は、ステロイド他、外用薬の湿布など、症状に応じて対応しています。

なお、毛虫などに刺された場合は、衣服に毛がついている場合がありますので、そっと衣服を脱ぎ、
毒針毛を十分に叩くなどして落としたり、テープなどで毒針毛をくっつけて取り去るなどして、被害が広がらないようにしてください。

真夏に向けた乳幼児のお肌ケア

子供の皮膚トラブル

赤ちゃんや小さなお子様は、公園遊びの時などに、花だんに入ってしまったり、芝生の上でゴロゴロと転がってみたりと、大人とは違った行動も多くみられます。
大切な成長期、あまり行動を制限するのではなく、風通しの良い綿や麻素材の長袖シャツ、長ズボン、帽子の着用など、ちょっと工夫で楽しい外遊びをして欲しいものです。

また、そろそろ、とびひ水いぼにも悩まされる季節です。
保育園、幼稚園や小学校のプール行事が始まる前に、しっかり治療することで、自分も楽しく過ごし、お友達にも移さないようにしたいですね。
改めて、とびひやミズイボなどの皮膚病を捜すのではなく、入浴時などにスキンシップを兼ねて、そっと優しい眼差しで、お子様の皮膚の様子を観察してみて下さい。

次回は、皮膚トラブルが急増する真夏のスキンケアについてご紹介します。

季節は初夏から夏へと進んでいきます。
足の指がむずむずする。何だか足が痒い。
改めて足をみたら、足の指の爪が、厚くなったり、濁った感じになっている。
もしかして、ミズムシ、爪水虫になったのかな?
素足になるのに、かかとが固くてひび割れている。
ノースリーブスになるのに、二の腕の赤いブツブツが気になってきた。

諸々、一年を通して一番、皮膚のお悩みや病気が増える時期の到来です。
夏の皮膚病、夏ならではのスキンケア、続きは次回に!