思春期の肌の悩みNo1はニキビ
思春期・・・だれでも憧れのひとができたり、異性に興味が湧いてくるこうした時期は、容姿も気になってくる頃です。
そんな時期、男女ともに悩むのがニキビ。
額や鼻の脇、また背中や胸部などにポツポツとでき、時に赤く腫れたようになってしまう皮膚疾患です。
ニキビは、角栓によって出口を塞がれた毛穴の中にアクネ菌が入り込み、皮脂を分解、毒性のある過酸化脂質を生成することが原因で、炎症を起こしたり、化膿したりすることで悩ませます。
ちなみに、アクネ菌は誰の肌にも存在する常在菌ですので、これを完全に殺菌することはほぼ不可能です。
かつては、青春のシンボルとか、すぐには治らないけれど大人になれば出なくなるから大丈夫と無責任に家族にいわれてきた
ニキビですが、最近では、様々な研究が重ねられ、よい治療方法が紹介されるようになってきました。
<ニキビの写真>
抗生物質の効かないニキビは、耐性菌ができるから!
いままで、ニキビに対する一般的治療は、抗生物質内服と外用の双方からの治療が主でした。
現在でも、この治療を否定するものではありません。
軽症の場合には、抗生物質外用のみで治療することもあります。
こうした治療は、短期的な場合には適しています。たとえば、1~2週間後に結婚式を控えている人などの場合です。
しかし、ニキビは、ご存知のように、短期的な病気ではなく、数年続くことが多いです。
だといって、ずーと抗生物質を長く飲ませることは耐性菌の出現が生じ、あるときから、
ニキビに効果がなくなってくることがあります。
また、体質的要因もありますが、ニキビをいじりまくったりしているうちに、大きくなり、
手のつけられない状態になって、瘢痕(はんこん)ケロイド様に、若いうちのニキビ跡が終生残ってしまうこともあります。
<ニキビ跡の残った部位の写真>
皮膚科の行うピーリングで、抗生物質をできるだけ使わない治療も
そこで、最近では、抗生物質の乱用による耐性菌の出現防止、将来にニキビ跡を残さないような
治療法が確立してきています。
これには、ニキビの症状の程度や、時期によって治療法が異なりますが、出来るだけ抗生物質の内服や
外用期間を短くし、初期のニキビから治療を始めることで、醜いニキビ跡を残さないように努めることが大切です。
簡単にこの治療法を説明すると、芽を出し始めたニキビを、草刈りの要領で、刈り取ってしまうのです。
皮膚学的には、ピーリングの作用です。出てくるニキビを次から次にピールしてしまうのです。
多少、皮膚の表面が荒れますが、化粧をしてもOKです。
(ピーリング:peeling は 皮をむくという意味の英単語 野菜の皮むきのことをピーラーとも言います)
<皮膚科のピーリングの風景や治療の写真>
以前は、ニキビ治療のためのピーリングを行うには、美容皮膚科を標榜するクリニックで、自費で行っていたのですが、それが、ここにきて、ピーリング作用のある薬剤が保険適用になり、経済的負担が軽減されることになりました。
皮膚科で処方されるニキビ治療薬の例
ピーリング効果をもつニキビ外用治療薬は2008年に発売されたアダパレン(商品名ディフェリンゲル)だけでしたが、
2年前に過酸化ベンゾイル(商品名ペピオ)、そして最近では、この過酸化ベンゾイルに抗生物質を含んだ製品(商品名デュアック)など発売されました。
また、外用治療薬もニューキノロン系ナジフロキシン(商品名アクアチム)、リンコマイシン系クリンダマイシン(商品名ダラシン)キノロン系オセンキサシン(商品名ゼビアックス)などが揃ったことで、患者様の皮膚の特性に合わせて、よりふさわしいお薬を使えるようになり、こうして、本格的なニキビ治療ができるようになりました。
市販のニキビ治療薬を闇雲に購入して試すより、皮膚科専門医の診察のもと、保険がきき、且つ自身の肌のタイプに合わせたお薬の処方をうけるほうが、安全かつ素早い治療が可能になると思います。
薬だけじゃないニキビの治療と予防
当院では、上記のようなお薬を使用して、ニキビの標準治療をしておりますが、
その他に、漢方治療や、ビタミン治療も併用し、身体の内部からニキビを予防、また改善するように促すこともあります。
しかし、ニキビ治療だけでなく予防にも注意するには、お薬だけでなく、その他の生活習慣なども気を配る必要があります。
特に洗顔が非常に重要であるのは、以前からご存知の方も多いと思いますが、
洗顔の方法(洗顔料、湯温、洗い方、すすぎ方)や、洗顔後のケア方法まで、きちんとした方法をとるのが、
綺麗に治癒できる秘訣です。
身体の外、内、そして生活習慣までトータルでアドバイスをさせていただくことで、
前述の診療の例にあるような完治が可能です。
いつでも、気軽にご相談ください。
綺麗なお肌で、恋せよ 若人!