やけど(熱傷)

やけどの症状

症例:左手第2度熱傷/給湯器よりの熱湯で火傷、受傷1時間後の様子

やけど治療

受傷した皮膚の範囲と深さによって、熱傷1度から3度までに分類されます。
当クリニックで治療可能なやけどは、受傷範囲が小さく、浅いもののみです。
これは、表皮内、及び表皮の下にある真皮の浅い部分までのやけど(浅達性第2度熱傷)です。

治療方針:
ステロイド外用薬、抗生物質外用薬、消炎鎮痛外用薬による治療を行います。
概ね、2週間程で上皮化、きれいな皮膚が再生されてきます。
当クリニックでは、この間、患者様へは出来る限り通院による処置治療をお薦めしております。
このことは、早い治癒、傷跡を出来る限り残さず、きれいな皮膚への再生に繋がるためでもあります。
また、疼痛が強い、二次感染が疑われる場合は、抗生物質や消炎鎮痛の内服薬を処方しております。

尚、浅達性第2度熱傷以上の場合、全身管理可能な病院へ迅速にご紹介致します。

低温やけど

湯タンポや電気アンカによる、低温熱傷は、比較的低い温度で、長い時間ゆっくりと熱が加わることで皮膚の深部にまでやけどが進行してしまいます。
受傷当初は、比較的症状が軽い為、安易に放置してしまい、皮膚の状態がなかなか治らないことに気づいて(受傷後3~4週間後)から受診することが多いです。

特に湯たんぽは、比較的血流が悪い 末端の足などに使い、また、ご高齢の方がお使いになることも多い為、意外と治癒に時間がかかることがあります。
糖尿病の持病がある方も、トラブルの原因になりますので注意が必要です。

治療方針:
早期に受診した場合は、一般のやけどに準じた治療を行います。

時間が経ってからの受診の場合は、まず放置して出来た不良肉芽を取り除いた後、一般のやけどと同じ治療を行います。

やけどになってしまったら

やけど受傷の場合、まず、冷水などで出来るだけ長く冷やすことが大切です。
なぜなら、やけどは受傷後、最低24時間は症状が進展していることが多いからです。
翌日以降、水疱を認めた経験がある方も多いと思います。
更なる炎症防止、鎮痛の意味からも必ず行う必要があります。

やけどと癌の関係

受傷後、長い年月が経過した後、瘢痕部位から、癌(有棘細胞癌)が発症することがあります。
受傷時、比較的症状が重いやけど、けがの場合、定期的に変化がないか、ご自身で心掛け、気になる場合は皮膚科医を受診してください。