脂漏部位とは皮脂腺が多く存在する、頭部、顔面、胸部、背部、わきを指します。その部位にできる皮膚炎を脂漏性皮膚炎といいます。
この皮膚炎は常在菌で、皮脂を好む癜風菌(でんぷうきん)(ピチロスポルム)が発症や悪化に関与していると考えられています。
しかし、抗癜風菌外用薬で、かえって悪くなることもあり、必ずしも癜風菌だけが、この疾患の原因とは言い切れないようです。
脂漏性皮膚炎の症状
痒みは比較的少ないです。頭部ではフケを伴って赤いです。顔面では、眉間~鼻に、カサカサした赤みを
認めます。耳の入り口や後側、わき、胸背部にも同様な症状がみられます。
脂漏性皮膚炎の治療
1.ステロイド外用薬 2.抗真菌薬などを中心に治療を行っていきます。また、ビタミンB2、B6といった内服薬の処方による治療も行います。
脂漏性皮膚炎改善のための食生活
1.ビタミンB2、B6といったビタミンB群を多く含む下記の食品などを摂るよう心がけるとよいです。
レバー、牛乳、卵、ほうれん草、トマト、キャベツ、椎茸など
2.皮脂分泌を高める下記の食品は取り過ぎないようにしましょう。
ナッツ、コーヒー、糖分、脂肪分、香辛料、
3.アルコールを取り過ぎないようにしましょう。
4.ストレスを過度にかけず、十分な睡眠を心がけましょう。
皮膚科専門医にとって、この疾患の診断は比較的容易ですが、治療の段階では再発を
繰り返すなどコントロールが難しく、治療に時間がかかります。
根気よく治療を続けることが大切です。