皮膚科医通信Vol.20 真冬の乾燥に備えた保湿は今からがおすすめ。

すっかり秋も深まってまいりました。
人形町、水天宮の街路樹も少しづつ紅葉してきている今日この頃ですが、皆様は如何お過ごしでしょうか、、、
水天宮前すぐの皮膚科専門医 皮フ科早川クリニックのブログも、久しぶりの投稿です。

この季節は、夏の高温多湿の天候から、冬の低温乾燥への移行の時期で、
お肌にとっては、その対応に間に合わず、トラブルを起こし始める季節でもあります。
さらに、一日の中でも、日差し(紫外線量や気温)、夕方からの冷たい風(寒暖差)など、変化の大きい季節です。

真冬になって、寒さや乾燥がきつくなると、出て来るのが、「かさつき」や「かゆみ」などの症状です。

自分で気づいたときには、もう遅く、症状として現れてしまうとやっかいですので、事前のケアが大切です。

それらを予防するためにも効果的で、今の季節にこそ始めて頂きたいスキンケアが幾つかありますので
ご紹介しておきましょう。

多汗な季節のボディーソープやシャンプーからマイルドなものへ切り替えよう

ちょっと動くだけで汗びっしょり、帰宅のころにはベトベトという時期は、お風呂で使うボディーソープやシャンプーに、
洗浄力が強いものを使う方も多いと思います。でも、汗が出にくい季節に使うと、必要な皮脂まで洗い流すことになります。
皮脂そのものは、決して悪いものではなく、皮膚の細胞を守ろうとする分泌物ですので、取りすぎてはいけません。
皮脂が少なくなると、そのぶん、乾燥がすすみ、皮膚表面がかさつき、かゆみや、あかぎれなどを引き起こします。

まずは、夏向きのソープ&シャンプーをやめ、保湿成分のあるものや低刺激のものに切り替えてみましょう。

入浴後のケアには、保湿成分のあるローションなど使おう。

入浴後に体やお顔に塗るローションや化粧水も、秋冬は、保湿成分のあるものを使うことをおすすめします。とくに、お風呂上がりに、何もつけず、あるいは夏向きのローション等しか使っていない状態で、ストーブやエアコンの暖房機器による乾燥状態に身を晒すのは、NGです。

かならず、保湿成分が多めの低刺激性のものをお使いになることをおすすめします。さらに、加湿器なども活用し、お部屋全体の乾燥状態にも気をつけるといいですね。

秋冬の旅行 温泉にも自前のローション、シャンプーを持参しよう。

行楽の秋、そして寒い季節ならではの露天風呂など、温泉にでかける方も多い季節。温泉施設には、概ね、シャンプーやボディーソープ、そして化粧水などが常備されていますが、これがけっこうお肌のトラブルのもとになったりします。

こうした施設に常設の洗剤や化粧水は、石油由来のものが多かったり、一年中同じものを提供されているなど、とくにこの季節にはそぐわないものもありますし、普段使っていないものだけに、肌に合わないという場合もあります。

せっかく、キレイになりたくて出かける温泉ですから、入浴時やその後のスキンケアのために、普段お使いのものを持っていくことをおすすめします。100均などに行くと、小分けにできる容器がありますので、ご主人の分も小分けにして渡すなど、工夫して、活用して下さい。

その他、これからの季節に不調を訴える方が増えるのが「アトピー性皮膚炎」や「皮脂欠乏性湿疹」などです。
こうした疾患の場合、「皮膚の乾燥」や「かゆみ」などの症状が顕著ですので、ちょっとおかしいな、変だなということきは、気軽に受診してみてください。